そうだ、昼間触手を取り除いてくれた時に何か暖かな気を感じたんだ。
あれはもしかして中に何か細工をしたのでは…?
もし本当にそうなのだとしたら早急に藍忘機にどうにかしてもらわないといけない。
尿道から広がる熱は徐々に身体全体に広がっていく感覚があり、魏無羨はここで考えていても解決しないだろうと震える脚を叱咤しながら雲深不知処へと向かうことにした。
カタンッ
小さな音を立てて雲深不知処へと忍び込む。
亥の刻はもうとっくに過ぎており、起きている者も外出している者ももちろんいない。
極力息を漏らさないように隠れながら藍忘機がいるであろう静室を目指し、そしてスッと中へと侵入した。
彼も掟に則って眠っているはずだ。
一歩一歩、音を鳴らさないように寝台のほうへと向かう。
そして、衝立の向こうを覗き込もうとした瞬間。
「っー!?」
背後から大きな手で口を塞がれた。
後ろに人がいる気配なんて全くなかったはずなのに。
いつの間にいたんだ。
キッと目を細めてその相手のことを睨みつける。
そこにいたのはこの部屋の主である藍忘機に他ならなかった。
「魏嬰、静かに」
「んんっ!」
逃げ出そうとする身体を腕で捕らえられ、その場から動けなくなってしまう。
暫くは手の下でうーうーと唸っていたが、このままではずっと解放してもらえないと察し、素直に大人しくすることにした。
藍忘機も魏無羨がこれ以上暴れないことを確認してから手を離して正面から向かい合った。
「こんな夜更けにどうした」
「っ…含光君、お前、俺の身体に何かしただろっ…」
「何故そう思う」
「……疼くんだよ…」
何処が、というのを具体的に言うのははばかられてしまい、曖昧にそう答える。
すると藍忘機の視線がスッと股間の辺りに注がれた。
「…くっ…何、したんだよ」
「紋を付けた」
藍忘機はあっさりと白状した。
そして、やはり彼が何かをしたという予想は当たっていたのだ。
右手の拳をぎゅっと握りしめ、何を考えているのかわからない藍忘機のことを睨みつける。
「消せよ」
「私との約束が守れるなら消す」
「は?なんだよそれ」
「魏嬰、もう怪しい術や鬼道は使わないで」
真剣な眼差しで説いてくる藍忘機に乾いた笑いを零す。
それは以前にも言われたことがあった言葉だったからだ。
「……はっ、またそれかよ…ことわっ…ぁっ!?」
『断る』その言葉を言い切る前に尿道にぞくっとした快感が走り、思わずその場にへたりこんでしまう。
紋を付けたという場所から熱が広がっていく。
「ぅ…あっ…卑怯だぞっ、含光君っ…」
「約束を守ってくれたら消す」
「い、やだっ……ひぃっ!?」
今度はビリビリとした刺激が走り、ビクンッと腰が跳ね上がる。
衣で隠されてはいるが、そこは布を押し上げ、よく見るとジワッと液体を滲ませている。
強制的に与えられる快感に変な声が上がってしまいそうになり、右手で自身の唇を塞ぐ。
すると、それをいい事に藍忘機は尿道の紋から与える刺激を更に強くしてきた。
「ふ、ぅっ…ゃ…っ…ぁ…」
ふるふると首を振って止めてほしいと訴えるがそんなことで藍忘機が止めてくれるわけがなかった。
強弱を付けて刺激を与えられるとどうしてもそこを扱きたくなってきてしまう。
ピリッピリッ
「ぅうっ…ゃ、めっ…はっ、ぁっ…はぁっ…」
呼吸が荒くなり、瞳には涙が浮かび、視界がぼやけていく。
「んっ…ぁっ…ひっ!?」
微弱な刺激から突然、強い刺激へと変わり、大きく目を見開く。
それは尿道だけで絶頂を迎えさせるように刺激を与えてきて魏無羨の瞳からはぽろぽろと涙が止まらなくなってしまう。
もう限界だ。
そう思った時、再び藍忘機からあの言葉が発された。
「魏嬰、もう怪しい術や鬼道は使わないって約束する?」